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シェアハウス白金の森

所在地:熊本県菊池市森北白金(農のオーベルジュ白金の森)

用 途:寄宿舎(シェアハウス) 

竣 工:2021年

構 造:木造在来工法平屋 

床面積:251㎡

農のオーベルジュ白金の森(リゾ-ト施設)内に建つ、菊池地域への​移住・定住希望者のための8室のシェアハウス。

 本建築の3年半前にオープンした源泉かけ流し温泉と宿泊のできるリゾ-ト施設「農のオーベルジュ白金の森」。本建築は、同じ山の一画にあり同じ建築主(農家)によってつくられた前述と全く用途の全く違うシェアハウス。事業主と二人三脚で取り組んだ山全体の既存全施設の設計・デザインに引き続き、独立後も本施設も設計させていただける機会を頂いた。

 

 「移住体験から定住へ」をコンセプトに、民間主導による地域活性化を見据え菊池地域で起業や定住を目指す若い世代や上記リゾ-ト施設で働きながら菊池に定住していきたいと希望する方を対象に入居募集を行い、ここから地域の担い手として巣立っていくことを期待しシェアハウスを建築。

 この建築で設計の主題としたのは以下5つ。

①非日常の時間を求めこのリゾ-ト地に来た宿泊客に対し(シェアハウスの存在を知らずに)この施設のプライベ-トな部分が直接的に見えないよう、建築のつくり方によって制御すること。

➁屋根含みすべての外観が見える施設なため、既存リゾ-ト施設と違和感のないデザインとすること。

③多様な個性が集まって共同で住む空間の在り方。

④共同生活を行う多様(国籍問わず)な入居者のために建築内に複数の「居場所」をつくること。

⑤維持管理の容易さ、メンテナンス軽減への配慮。

 

 緩やかな傾斜地だった敷地を、散歩道を通る宿泊客の風景を阻害しないことと室内で暮らす入居者との視線が直接合わないよう、敷地を軒高と同じ高さまで掘り下げその地盤面から施設を建てています。外形は表裏のできない正方形平面とし、外周壁の内側に6か所の屋根の無いテラスを設け、全ての室の窓や室外機・給湯器や受水槽などが機械設備が宿泊客から直接見えないようそこに全てを配置。テラスは各個室に住む入居者のための喫煙スペ-スや屋外の息抜きのための「居場所」となるよう設けています。外観の表情が閉鎖的にならないようテラスに面した外周壁には大小様々な孔(開口)を設け、通風や自然光の確保、周りの木々の緑を切り取りつつ外・内部双方からの視線を緩やかに緩和するように設けています。また、周りの木々の落ち葉対策から雨樋は極力設けず屋根に降った雨は外壁面を垂れ流しでの設計。 室内は入居者が自然と集まってくるよう中央のパブリックスペ-スを取り囲むように計8部屋の個室や水回り空間・テラスを設け、中央には大樹を模した構造体で屋根を支え、上部の通風を兼ねた天窓から自然光が木漏れ日のように室内に注ぐようにしています。

 何もない場所に一本の大樹が育ち、その下に自然と人が集まることで会話や生活、文化や創造が生まれたように、この場所が地域活性化に寄与する新たな若者の創造・発信の場となってくれることを願う。

設計・デザイン・監理:一級建築士事務所AND

スパリゾート シェアハウス白金のご案内|白金の森 (shirokane-mori.jp)

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49-外観西鳥瞰_edited.jpg
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